特定技能制度とは

特定技能制度とは、2019年4月に生まれた「特定産業分野」において労働力確保を目的に、即戦力となり得る外国人材の就労が可能になった在留資格です。特定技能の主な特徴として、①最低3年間同一作業に従事した経験があり、②一定水準以上の日本語レベル(=日本語能力検定4級以上)である点が挙げられます。では、実際に従事させることができる「特定技能産業分野」にはどのようなものが当てはまるのでしょうか。

特定技能人材を活用可能な、14種の「特定技能産業分野」は下記の通りです。

介護分野

ビルクリーニング分野

素形材産業分野/
産業機械製造業分野/
電気・電子情報関連
産業分野

建設分野

造船・舶用工業分野

自動車整備分野

航空分野

宿泊分野

農業分野

漁業分野

飲食料品製造業分野

外食業分野

※建設業、造船・舶用工業については特定技能2号移行が認められており、在留期間の制限がなく、より熟練した技能を有した人材を活用できます。

特定技能の特徴を大きくまとめると、

  • 同一業務の経験がある即戦力となる人材
  • 一定の範囲で関連業務を行わせることができ、技能実習生に比べて任せることができる業務の範囲が広い
  • 一定以上の日本語レベルを身につけた人材
と言うことができるでしょう。

特定技能の在留資格を用いた採用方法

実際に特定技能の外国人材を採用する方法について説明します。
採用できる外国人の要件は、

  • 各産業分野・職種別の技能試験の合格
  • 一定以上の日本語能力水準(N4以上)

※同分野で技能実習2・3号を良好に修了した場合は不要

です。特定技能実習生の採用手法はどのような外国人を採用するかによって分かれてきます。

1.海外から来日する外国人の採用をする場合

  • ①技能実習生2号を良好に修了した外国人については、技能試験及び日本語試験は免除となるため、求人募集への直接応募もしくは職業紹介事業者より案件の紹介を受けることができます。
  • ②新規入国予定の外国人については、国外にて技能試験及び日本語試験を受験し、合格する必要があります。合格して求人募集への直接応募もしくは職業紹介事業者より案件の紹介を受けることができます。

2.日本国内に在留している外国人を採用する場合

  • 技能実習生2号を良好に修了した外国人については、技能試験及び日本語試験は免除となるため、求人募集への直接応募もしくはハローワーク・職業紹介事業者より案件の紹介を受けることができます。
  • 留学生については、国外にて技能試験及び日本語試験を受験し、合格する必要があります。合格して求人募集への直接応募もしくはハローワーク・職業紹介事業者より案件の紹介を受けることができます。
技能試験
特定産業分野の業務区分に対応する試験
日本語試験
国際交流基金日本語基礎テスト(国際交流基金)or 日本語能力試験(N4以上の結果が必要)
(国際交流基金・日本国際教育支援協会)他

採用前までに行うべき受入企業様が行う手続き

ここまで特定技能制度・採用手法について説明しましたが、ここでは実際に受け入れをするために企業が行う必要がある準備項目について説明します。

協議会への加入
特定技能各分野にはそれぞれに所轄官庁が存在します。特定技能制度を運用し、外国人材を採用するためには各分野に対応した協議会への入会が必要です。入会には申請後約2ヶ月間必要となります。各官庁より指定されている入会時期はそれぞれ異なりますので、期限を過ぎてしまわないように注意しましょう。

!経済産業省管轄の、いわゆる製造3分野については入管庁における手続きの前に協議・連絡会への入会が必要になりますので特に注意が必要です。
<参考:分野別協議会所轄官庁一覧>
分野名 所轄官庁 申請・入会時期 協議会へ
介護分野 厚生労働省 特定技能外国人を受け入れた日から4ヶ月以内に介護分野における特定技能協議会への入会が必要 協議会へ
ビルクリーニング分野 特定技能外国人を受け入れた日から4ヶ月以内にビルクリーニング分野特定技能協議会への入会が必要 協議会へ
素形材産業分野 経済産業省 入管庁における手続きの前に製造業特定技能外国人材受入れ協議・連絡会への入会が必要 協議会へ
産業機械産業分野 協議会へ
電気・電子情報関連産業分野 協議会へ
建設分野 国土交通省 受け入れ前に建設技能人材機構への入会が必要 協議会へ
造船・舶用工業分野 特定技能外国人を受け入れた日から4ヶ月以内に造船・舶用工業分野特定技能協議会への入会が必要 協議会へ
自動車整備分野 受け入れ前に自動車整備分野特定技能協議会への入会が必要 協議会へ
航空分野 特定技能外国人を受け入れた日から4ヶ月以内に航空分野特定技能協議会への入会が必要 協議会へ
宿泊分野 特定技能外国人を受け入れた日から4ヶ月以内に宿泊分野特定技能協議会への入会が必要 協議会へ
農業分野 農林水産省 特定技能外国人を受け入れた日から4ヶ月以内に農業特定技能協議会への入会が必要 協議会へ
飲食料品製造分野 特定技能外国人を受け入れた日から4ヶ月以内に食品産業特定技能協議会への入会が必要 協議会へ
外食分野 協議会へ
漁業分野 水産庁 特定技能外国人を受け入れた日から4ヶ月以内に漁業特定技能協議会への入会が必要 協議会へ

特定技能として受け入れるために

外国人を受け入れるためには事前に下記3点の基準を満たしているかどうかの確認が必要です。下記の遵守を怠ると出入国在留管理庁から指導・改善命令等を受けるほか、最大5年間外国人を受け入れることができなくなることがあります。

1.外国人と結ぶ雇用契約が適切であること

特定技能外国人には日本人労働者同様、同一労働同一賃金が適用されます。そのため、同業務に就く日本人従業員の方と比べ、不当に待遇が悪くないか確認する必要があります。

2.受け入れ機関自体が適切であること

受け入れ機関で過去5年以内に出入国・労働法令違反がないか、また保証金の徴収や違約金契約の締結をしていないか等、利用する受け入れ機関がクリーンであることの確認が必要です。

3.外国人を支援する体制があり計画が適切であること

特定技能外国人を受け入れる企業は、外国人労働者が「特定技能1号」の活動を安定的かつ円滑に行うことができるようにするための支援の実施に関する計画(1号特定技能外国人支援計画)を作成し、同計画に基づいて支援を行う必要があります。支援計画作成にあたって必要な項目は、

  • ①支援責任者の氏名及び役職等
  • ②登録支援機関(登録支援機関に委託する場合のみ)
  • ③義務的支援項目について

です。特に③の義務的支援項目については対応事項が多く、さらには一部母国語での対応が必要となります。

<参考:義務的支援項目一覧>

No 所轄官庁 母国語
01 入国前の事前ガイダンス(契約内容や生活環境の説明)
02 入国時の空港などへの出迎え・帰国時の空港などへの見送り -
03 住宅の確保に向けた支援実施(保証人など) -
04 在留中の生活オリエンテーションの実施(預貯金口座開設、携帯電話の契約方法など)
05 公的機関への同行 -
06 生活のための日本語習得支援 -
07 相談・苦情への窓口開設と対応
08 各種行政手続きについての情報提供及び支援
09 日本人・文化交流への促進支援 -
10 会社都合で雇用契約を解除される場合の転職支援 -

前述の通り、上記項目を全て達成していないと、外国人の受け入れが最大5年間不可能になることがあります。特に義務的支援項目については受け入れ企業様のみですべてを網羅することは簡単なことではありません。しかし、義務的支援項目は「登録支援機関」への委託が可能です。そのため、登録支援機関の選択において、人材紹介料や毎月の登録支援費用等の料金面以外にもどのようなサポートメニューがあるかどうかについても重要なポイントの1つになります。

よくある質問

Q1
参考様式第5-6号「定期面談報告書」に、監督者と記載がありますが、この監督者とは誰でも良いのでしょうか。
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監督者には直接の上司や雇用先の代表者等が該当します。例えば、外国人が製造部で働いている場合、技術部の上司は監督者に当たらないと言えます。面談対象の特定技能外国人に対して指揮命令権があるかどうかがポイントです。
「監督する立場にある者」とは、特定技能外国人と同一の部署の職員であるなど、当該外国人に対して指揮命令権を有する者をいいます。
(参考資料:1号特定技能外国人支援に関する運用要領)
Q2
特定技能外国人に有給休暇を取得させなければなりませんか?
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特定技能外国人にも労働基準法が適用されるため、有給休暇を取得させる義務があります。

(年次有給休暇)
第三十九条
使用者は、その雇入れの日から起算して六箇月間継続勤務し全労働日の八割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した十労働日の有給休暇を与えなければならない。
参考資料: 労働基準法
Q3
特定技能外国人の空港への送迎について、就業予定の事業所から空港が遠くても送迎しなければならないのですか?
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港又は飛行場における当該特定技能外国人の送迎は、義務的支援として受け入れ企業(特定技能所属機関)等が行う必要があります。そのため、現実的に送迎が可能な国際空港を利用してもらうよう、事前に外国人と到着空港を相談しておくことが大切です。

また、送迎は特定技能外国人の支援の内「義務的支援」に該当しますので、送迎にかかる費用は外国人本人に負担させることは出来ません。事前にどれくらいの費用がかかるか調べておくのが宜しいかと存じます。
Q4
特定技能外国人の支援に係る費用は全て受入企業が支払う必要があるのでしょうか。
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「義務的支援」については、直接又は間接に外国人に負担させることは出来ないため、受入企業又は登録支援機関が負担する必要があります。
「任意的支援」については特に定められていないため、外国人と相談の上、いくらか負担してもらうことも可能です。
参考資料:1号特定技能外国人支援に関する運用要領

○特定技能所属機関は、1号特定技能外国人支援に要する費用(本要領に定める「義務的支援」に係るものに限る。)について、直接又は間接に当該外国人に負担させることはできません。(運用要領4ページ目)
「任意的支援」の内容については上記の1号特定技能外国人支援に関する運用要領を、また、
「義務的支援」の内容については下記をご参照下さい。
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参考資料:特定技能基準省令

(一号特定技能外国人支援計画の内容等)
第三条 法第二条の五第六項の一号特定技能外国人支援計画には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
一 次に掲げる事項を含む職業生活上、日常生活上又は社会生活上の支援の内容
イ 法別表第一の二の表の特定技能の項の下欄第一号に掲げる活動を行おうとする外国人に係る在留資格認定証明書の交付の申請前(当該外国人が他の在留資格をもって本邦に在留している場合にあっては、在留資格の変更の申請前)に、当該外国人に対し、特定技能雇用契約の内容、当該外国人が本邦において行うことができる活動の内容、上陸及び在留のための条件その他の当該外国人が本邦に上陸し在留するに当たって留意すべき事項に関する情報の提供を実施すること。
ロ 当該外国人が出入国しようとする港又は飛行場において当該外国人の送迎をすること。
ハ 当該外国人が締結する賃貸借契約に基づく当該外国人の債務についての保証人となることその他の当該外国人のための適切な住居の確保に係る支援をすることのほか、銀行その他の金融機関における預金口座又は貯金口座の開設及び携帯電話の利用に関する契約その他の生活に必要な契約に係る支援をすること
ニ 当該外国人が本邦に入国した後(当該外国人が他の在留資格をもって本邦に在留している者である場合にあっては、在留資格の変更を受けた後)、次に掲げる事項に関する情報の提供を実施すること。
(1) 本邦での生活一般に関する事項
(2) 法第十九条の十六その他の法令の規定により当該外国人が履行しなければならない又は履行すべき国又は地方公共団体の機関に対する届出その他の手続
(3) 特定技能所属機関又は当該特定技能所属機関から契約により一号特定技能外国人支援の実施の委託を受けた者において相談又は苦情の申出に対応することとされている者の連絡先及びこれらの相談又は苦情の申出をすべき国又は地方公共団体の機関の連絡先
(4) 当該外国人が十分に理解することができる言語により医療を受けることができる医療機関に関する事項
(5) 防災及び防犯に関する事項並びに急病その他の緊急時における対応に必要な事項
(6) 出入国又は労働に関する法令の規定に違反していることを知ったときの対応方法その他当該外国人の法的保護に必要な事項
ホ 当該外国人がニ(2)に掲げる届出その他の手続を履行するに当たり、必要に応じ、関係機関への同行その他の必要な支援をすること
ヘ 本邦での生活に必要な日本語を学習する機会を提供すること。
ト 当該外国人から職業生活、日常生活又は社会生活に関し、相談又は苦情の申出を受けたときは、遅滞なく、当該相談又は苦情に適切に応じるとともに、当該外国人への助言、指導その他の必要な措置を講ずること。
チ 当該外国人と日本人との交流の促進に係る支援をすること。
リ 当該外国人が、その責めに帰すべき事由によらないで特定技能雇用契約を解除される場合においては、公共職業安定所その他の職業安定機関又は職業紹介事業者等の紹介その他の他の本邦の公私の機関との特定技能雇用契約に基づいて法別表第一の二の表の特定技能の項の下欄第一号に掲げる活動を行うことができるようにするための支援をすること。
ヌ 支援責任者又は支援担当者が当該外国人及びその監督をする立場にある者と定期的な面談を実施し、労働基準法その他の労働に関する法令の規定に違反していることその他の問題の発生を知ったときは、その旨を労働基準監督署その他の関係行政機関に通報すること。
Q5
以前に従業員を解雇したことがあります。特定技能外国人を雇うことは出来ないのでしょうか。
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解雇の状況によって雇うことが出来るかどうか異なります。
整理解雇による離職は、原則として「非自発的離職」に当たるため、解雇を行った日から1年間は特定技能外国人を雇うことはできません。ただし、下記の場合には特定技能外国人を雇い入れることが可能です。
特定技能外国人受入れに関する運用要領によれば、

①経営上の努力を尽くしても雇用を維持することが困難な場合
②特定技能外国人の責めに帰すべき事由による終了の場合
には「非自発的離職」に当たらないこととなっています。(特定技能外国人受入れに関する運用要領53~54ページ参照)
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「非自発的に離職させた」とは、具体的には次のものに該当する場合をいいます。なお、非自発的離職者を1名でも発生させている場合は、基準に適合しないこととなります。
・人員整理を行うための希望退職の募集又は退職勧奨を行った場合(天候不順や自然災害の発生、又は、新型コロナウイルス感染症等の感染症の影響により経営上の努力を尽くしても雇用を維持することが困難な場合は除く。)
・労働条件に係る重大な問題(賃金低下、賃金遅配、過度な時間外労働、採用条件との相違等)があったと労働者が判断したもの
・就業環境に係る重大な問題(故意の排斥、嫌がらせ等)があった場合
・特定技能外国人の責めに帰すべき理由によらない有期労働契約の終了
Q6
特定技能外国人の支援に関して、支援担当者は常勤職員であることが望ましいとされていますが、常勤とはどのような人が当てはまるのでしょうか。
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明確な定義はありませんが、一般的にフルタイムの方が当てはまるとされており、雇用保険の被保険者等が該当します。
技能実習の場合には、下記のように定められています。
常勤の職員は、技能実習生を受け入れている実習実施者に継続的に雇用されている職員(いわゆる正社員をいいますが、正社員と同様の就業時間で継続的に勤務している日給月給者を含む。)とされています。
勤務時間等待遇面からみた場合、次の点に鑑み、判断されます。
ア 所定労働日数が週5日以上、かつ、年間217日以上であって、かつ、週所定労働時間が30時間以上であること。
イ 入社後6か月間継続勤務して、全労働日の8割以上出勤した場合、10日以上の年次有給休暇が付与されること。
ウ 雇用保険の被保険者であり、かつ、一週間の所定労働時間が30時間であること。
雇用保険の「1週間の所定労働時間」に係る適用要件は、「20時間以上であること」とされていることから、同保険の被保険者であることのみをもって常勤の職員として判断することは不適切です。 参照元:よくある御質問(技能実習計画の認定申請関係)
Q7
自社で雇用している特定技能外国人との雇用契約期間を更新したいと思っています。何か入管への届出は必要でしょうか。
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従前の雇用契約期間よりも短くする場合には、特定技能外国人に不利となるため、「特定技能雇用契約に係る届出(参考様式第3-1号)」が必要となります。雇用契約の更新等、特定技能外国人に不利にならないような変更については、届出は不要です。
Q8
特定技能外国人が退職することになりました。入管への手続きは何か必要ですか?
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随時届出が必要となります。具体的には、雇用契約終了の日(退職日)から14日1以内に、①特定技能雇用契約に係る届出書(参考様式第3-1号)、②支援委託契約に係る届出書(参考様式第3-3号)及び③受入れ困難に係る届出書(参考様式第3-4号)の届出が必要となります。
事由発生から14日以内に届け出る必要がありますので、忘れないようにご注意下さい。
とはいえ、失念してしまうこともあるかと思います。
その場合には、遅延した理由の記載(「陳述書」、様式任意)が求められることもありますが、正直に失念していた旨を記載するようにしましょう。
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①特定技能雇用契約に係る届出書(参考様式第3-1号)について
■ 特定技能所属機関は、特定技能雇用契約が終了した場合には、当該終了日から14日以内に、当該機関の住所(雇用する特定技能外国人の指定書に記載の住所)を管轄する地方出入国在留管理局に当該契約が終了した旨並びに当該終了年月日及び終了の事由を記載した書面を提出して届出を行わなければなりません。 【確認対象の書類】
・特定技能雇用契約に係る届出書(参考様式第3-1号)
【留意事項】
○特定技能外国人は、特定技能雇用契約が終了した場合であっても、直ちに帰国することとはならず、転職により新たな特定技能所属機関との間で特定技能雇用契約が締結されれば、在留期間の範囲内で引き続き在留が認められることとなります。
〇特定技能外国人の責めに帰すべき事由によらずに特定技能雇用契約が終了した際には、当該外国人の活動継続意思を確認した上、活動の継続を希望する場合には必要な転職支援をしなければなりません。
○特定技能雇用契約を終了する事由が、非自発的離職や行方不明等である場合は、受入れ困難に係る届出書(参考様式第3-4号)をあらかじめ提出しておかなければなりません(詳細については、下記第4節を参照してください。)。
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②支援委託契約に係る届出書(参考様式第3-3号)について
■ 特定技能所属機関は、登録支援機関との支援委託契約が終了した場合には、当該変更日から14日以内に、当該特定技能所属機関の住所(雇用する特定技能外国人の指定書に記載の住所)を管轄する地方出入国在留管理局に当該契約が終了した旨並びに当該終了年月日及び終了の事由を記載した書面を提出して届出を行わなければなりません。
【確認対象の書類】
・支援委託契約に係る届出書(参考様式第3-3号)

【留意事項】
〇登録支援機関との契約を終了した場合には、特定技能所属機関自らが1号特定技能外国人支援計画の適正な実施の確保に関する基準(第5章第2節第2を参照)に適合するか、別の登録支援機関との委託契約を締結しなければ、1号特定技能外国人の受入れができないこととなりますので留意願います。
○登録支援機関との支援委託契約を終了した場合は、1号特定技能外国人支援計画も変更となることから、併せて支援計画変更に係る届出書(参考様式第3-2号)を提出しなければなりません(詳細については、前記第2節別表の項番Ⅲを参照してください。)。
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③受入れ困難に係る届出書(参考様式第3-4号)について
■経営上又は事業上の都合により特定技能外国人を解雇するような場合など、特定技能外国人の受入れが困難となったことに起因して、特定技能雇用契約を終了する場合は、特定技能雇用契約を終了する前に一定の時間があることが通常であるので、そのような場合には特定技能雇用契約に係る届出(参考様式第3-1号)を行う前に、あらかじめ受入れ困難の届出を行うよう努めてください。
【確認対象の書類】
・受入れ困難に係る届出書(参考様式第3-4号)

【留意事項】
〇「受入れが困難となった場合」とは、経営上の都合(非自発的離職)、特定技能所属機関の基準不適合、法人の解散、個人事業主の死亡、特定技能外国人の死亡、病気・怪我、行方不明、重責解雇(労働者の責めに帰すべき事由によるもの)、自己都合退職等をいいます。また、特定技能外国人について上記のような事由が発生し、14日以上にわたって活動する見込みが立たない場合には届出を行ってください。
○特定技能外国人が受入れ中に死亡した場合には、労働基準監督署、警察に届け出るなど適切な対応を行ってください。
○受入れ困難となった旨を地方出入国在留管理局に届け出た後も当該外国人の活動状況について調査が行われることもあることから、当該外国人に係る出勤簿、賃金台帳等の帳簿類について保存期間内は適切に保管し、調査の際には提示できるようにしておいてください。
○特定技能所属機関の事業上・経営上の都合や欠格事由に該当する場合のほか、特定技能所属機関と特定技能外国人との諸問題により、受入れが継続できなくなる場合があります。万一、このような事態が発生した場合には、特定技能の活動の継続が不可能となった事実とその対応策を届け出ることが求められます。また、特定技能外国人が特定技能の活動を継続したいとの希望を持っているかを確認することが必要となります。活動継続の希望を持っている場合に は、ハローワークや民間の職業紹介事業者の事務所へ案内するなどの転職の支援を行うなどの必要な措置を講じなければなりません。なお、特定技能外国人が特定技能雇用契約の満了前に途中で帰国することとなる場合には、特定技能外国人に対し、意に反して特定技能の活動を中止して帰国する必要がないことの説明や帰国の意思確認を書面により十分に行った上、特定技能外国人の帰国が決定した時点で帰国前に地方出入国在留管理局へ届け出なければなりませ ん。
○特定技能外国人が行方不明となった場合についても、特定技能の活動を行わせることが困難となった場合に該当することから、地方出入国在留管理局への受入れ困難に係る届出書(参考様式第3-4号)の提出が必要となります。なお、失踪した特定技能外国人については、入管法上の在留資格の取消手続の対象となり得ます。
出典元:特定技能外国人受入れに関する運用要領 94~95頁、101~103頁
Q9
特定技能外国人を雇い入れる企業として、受入要件はありますか?
開く
労働関連法規の他、外国人の不正行為や、受け入れ企業としての適切性を満たしているか否か等に注意すべき必要があります。
特定技能の場合には、受入機関として適切であることが求められ、
・労働関係法令、社会保険関係法令及び租税関係法令を遵守していること
・非自発的離職者を発生させていないこと(雇用契約の締結日の1年以内~雇用契約締結以後ずっと)
・受入機関の責めに帰すべき事由により行方不明者を発生させていないこと(雇用契約の締結日の1年以内~雇用契約締結以後ずっと)
・関係法律による刑罰を受けていないこと
などが必要です。
出典元:特定技能運用要領 49~73P
Q10
現在「短期滞在」の在留資格を有していますが、在留カードが無くても「特定技能」への変更許可申請をすることは可能ですか。
開く
解雇の状況によって雇うことが出来るかどうか異なります。
整理解雇による離職は、原則として「非自発的離職」に当たるため、解雇を行った日から1年間は特定技能外国人を雇うことはできません。ただし、下記の場合には特定技能外国人を雇い入れることが可能です。
特定技能外国人受入れに関する運用要領によれば、

①経営上の努力を尽くしても雇用を維持することが困難な場合
②特定技能外国人の責めに帰すべき事由による終了の場合
には「非自発的離職」に当たらないこととなっています。(特定技能外国人受入れに関する運用要領53~54ページ参照)
------------------------------------
「非自発的に離職させた」とは、具体的には次のものに該当する場合をいいます。なお、非自発的離職者を1名でも発生させている場合は、基準に適合しないこととなります。
・人員整理を行うための希望退職の募集又は退職勧奨を行った場合(天候不順や自然災害の発生、又は、新型コロナウイルス感染症等の感染症の影響により経営上の努力を尽くしても雇用を維持することが困難な場合は除く。)
・労働条件に係る重大な問題(賃金低下、賃金遅配、過度な時間外労働、採用条件との相違等)があったと労働者が判断したもの
・就業環境に係る重大な問題(故意の排斥、嫌がらせ等)があった場合
・特定技能外国人の責めに帰すべき理由によらない有期労働契約の終了
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出典元:特定技能外国人受入れに関する運用要領
Q11
特定技能の受け入れを予定しています。自社の製品を調べたところ、電気・電子情報関連産業分野に該当しそうです。従事させる作業に制限はありますでしょうか。
開く
制限がございます。分野ごとに定められた基準を満たしている必要がございます。

詳細は、分野別運用要領をご参照ください。
例えば、「電気・電子情報関連産業分野」については、従事させる業務について下記の基準を満たす必要があります。
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告示第2条
電気・電子情報関連産業分野に係る特定技能雇用契約及び1号特定技能外国人支援計画の基準等を定める省令第1条第1項第7号の告示で定める基準は、出入国管理及び難民認定法(昭和26年政令第319号)第2条の5第1項に規定する特定技能雇用契約に基づいて外国人が同法別表第1の2の表の特定技能の項の下欄第1号に掲げる活動を行う事業所が、平成25年総務省告示第405号(統計法第28条の規定に基づき、産業に関する分類を定める件)に定める日本標準産業分類に掲げる産業のう ち次のいずれかに掲げるものを行っていることとする。

一 中分類28-電子部品・デバイス・電子回路製造業
二 中分類29-電気機械器具製造業(細分類2922-内燃機関電装品製造業及び細分類2929-その他の産業用電気機械器具製造業(車両用、船舶用を含む)を除く。)
三 中分類30-情報通信機械器具製造業

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前記の日本産業分類に掲げる産業を行っているとは、1号特定技能外国人が業務に従事する事業場において、直近1年間で前記の①~③に掲げるものについて製造品出荷額等が発生していることを指します。
製造品出荷額等とは
・製造品出荷額
・加工賃収入額
・その他収入額
の合計であり、消費税・酒税・たばこ税・揮発油税・地方揮発税を含んだ額のことを指します。
出典元:特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領
Q12
技能検定試験について、3級と随時3級は何が違うのですか。
開く
試験内容は同じです。ただし、3級は対象者に限定がありませんが(日本人・技能実習生も受験可能)、随時3級については外国人技能実習生等を対象として随時に実施するものとなります。

実施時期も異なります。
3級は前期・後期に分かれて1年に2回、試験が行われます。
随時3級は、1ヶ月毎に、技能実習計画に合わせて随時に行われています。

参考:3級の技能検定試験の実施日
https://www.javada.or.jp/jigyou/gino/giken_nittei.html

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また、「特定技能1号」への在留資格変更許可申請時に必要となる書類の1つに、
技能検定の実技試験の合格証(3級又は専門級)
がありますが、
こちらは随時3級の合格証、3級の合格証のいずれも提出書類として認められています。

参考:特定技能外国人の在留諸申請に係る提出書類一覧・確認表
https://www.moj.go.jp/isa/content/001341649.pdf
Q13
特定技能外国人を採用しました。入社後、試用期間を設けることはできますか?(2か月)
開く
試用期間を設けることは可能です。また、試用期間後賃金区分を下げる可能性があるという文言追記に関しても認められると考えます。

「外国人であること」を理由に雇用契約の内容を区別していることは不可となりますのでご注意ください。

外国人の待遇等の基準の詳細については、
「特定技能外国人の受入れに関する運用要領」(40~43ページ)をご覧ください。
出典元:https://www.moj.go.jp/isa/content/930004944.pdf

【関係規定】
出入国管理及び難民認定法第2条の5
別表第1の2の表の特定技能の項の下欄第1号又は第2号に掲げる活動を行おうとする外国人が本邦の公私の機関と締結する雇用に関する契約(以下この条及び第4章第1節第2款に おいて「特定技能雇用契約」という。)は、次に掲げる事項が適切に定められているものとして 法務省令で定める基準に適合するものでなければならない。
一 特定技能雇用契約に基づいて当該外国人が行う当該活動の内容及びこれに対する報酬その他の雇用関係に関する事項
二 前号に掲げるもののほか、特定技能雇用契約の期間が満了した外国人の出国を確保するための措置その他当該外国人の適正な在留に資するために必要な事項
2 前項の法務省令で定める基準には、外国人であることを理由として、報酬の決定、教育訓練の実施、福利厚生施設の利用その他の待遇について、差別的取扱いをしてはならないことを含むものとする。
Q14
「特定技能1号」で在留できる期間は通算5年以内とされていますが、海外にいる間も期間に含まれますか?
開く
再入国許可により出国していた期間は「通算」期間に含まれます。ただし、例外の場合もございます。

「通算」とは、特定産業分野を問わず、在留資格「特定技能1号」で本邦に在留した期間をいい、過去に在留資格「特定技能1号」で在留していた期間も含まれます。

○ 次の場合は通算在留期間に含まれます。
・失業中や育児休暇及び産前産後休暇等による休暇期間
・労災による休暇期間
再入国許可による出国(みなし再入国許可による出国を含む。)による出国期間
・「特定技能1号」を有する者が行った在留期間更新許可申請又は在留資格変更許可申請中(転職を行うためのものに限る。)の特例期間
・平成31年4月の施行時の特例措置として「特定技能1号」への移行準備のために就労活動を認める「特定活動」で在留していた期間

○ ただし、次の場合は通算在留期間に含まれません。
・再入国許可により出国(みなし再入国許可による出国を含む。)したものの、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のための上陸を拒否する措置などにより再入国することができなかった期間

出典元:特定技能外国人受入れに関する運用要領
https://www.moj.go.jp/isa/content/930004944.pdf
Q15
特定技能への在留資格変更許可申請における「参考様式第1-9号 徴収費用に関する説明書」について、居住費の欄はどのように記載すれば宜しいでしょうか。
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自己所有物件か借上物件かによって記載内容が異なります。

自己所有物件の場合】
・建設・改築に要した費用
・物件の耐用年数
・入居する人数
から算出した合理的な額でなければなりません。

計算例:
・建設・改築に要した費用:600万円
・物件の耐用年数:10年(120ヶ月)
・入居する人数:2人
→ 600万÷120ヶ月÷2人=一人当たり25000円/月
上の計算例だと、居住費としての徴収額は一人当たり25000円以内に収める必要があります。

----------------------------------------
借上物件の場合】
・借上げに要する費用(含む:管理費・共益費 含まない:敷金・礼金・仲介手数料等)
を入居する人数から算出した合理的な額でなければなりません。

計算例:
・家賃:55000円/月
・管理費:2000円/月
・共益費:3000円/月
・敷金:10万円
・礼金:15万円
・入居する人数:3人
(55000円+2000円+3000円)÷3人=一人当たり20000円/月
上の計算例だと、居住費としての徴収額は一人当たり20000円以内に収める必要があります。
Q16
派遣会社A社がB社構内請負事業所にて特定技能の受け入れを検討する際、「非自発的離職なし」の条件が求められるのはB社構内請負事業所のみに限られるのでしょうか?
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受入機関として「非自発的離職者」を発生させていないことが要件です。 B社構内請負事業所に限らず、派遣会社A社全体で従事している労働者のうち、「同種の業務」に従事している労働者を派遣会社A社(受入機関)が不当に離職させていないことが必要となります。

「非自発的離職」「同種の業務」についての参考資料:特定技能運用要領50~51頁(https://www.moj.go.jp/isa/content/930004944.pdf

運用要領では、「同種の業務」の定義は明らかにされていませんが、
・パート、アルバイトは含まない
・特定技能外国人が従事する業務と同様の業務を指す

上記2点は入管庁公式資料にて提示がされています。
同一の業務区分の仕事の場合は「同種の業務」と考えて、「非自発的離職者」の有無を検討するのがいいでしょう。

【例】
業務区分「金属プレス加工」で受入れする場合は、受入機関(派遣会社)として「金属プレス加工」の業務にて「非自発的離職者」を発生させていないかを確認する。
Q17
製造3分野の会社です。特定技能外国人を雇用したいですが、従事させる業務はどのようなものでもよいでしょうか。
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雇用先の事業所において「製造品出荷額等」が発生している業種(業務)でなければなりません。また、従事予定の業務について、特定技能外国人が技能試験に合格している必要があります。


【製造品出荷額について】
1 「日本標準産業分類(平成25年10月改定)の大分類E製造業(総務省)の一覧」及び、「説明及び内容例示」から、
受け入れを希望する事業所で直近1年間に「製造品出荷額等」が発生している業種を確認していただく必要があります。
https://www.soumu.go.jp/main_content/000290724.pdf

2 次に、「最新の経済産業省説明資料(受入れセミナー使用資料)」を ご確認いただき、その業種が特定技能の対象業種であることをご確認ください。
https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/gaikokujinzai/index.html

<出典元:製造業における特定技能外国人受入れに関するFAQ>
https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/gaikokujinzai/pdf/20210614faq.pdf

【試験合格について】
例えば、「工業包装」の業務に従事してもらうためには、雇用予定の特定技能外国人が「工業包装」の技能試験に合格している必要があります。
Q18
特定技能に関する在留資格の手続きはどれくらいの期間がかかりますか。
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申請の内容によって異なりますが、目安として、入管より以下のような在留審査処理期間(日数)が公表されております。

書類が十分に揃っていれば30日程度で許可が下りることもよくあります。
また、書類に不備や不足があった場合、追加資料の提出を求めれられますが、
追加資料の提出に時間がかかれば、許可が下りるまで日数を要することになります。

入管より四半期毎に最新の標準処理期間が公表されております。
http://www.moj.go.jp/isa/publications/materials/nyuukokukanri07_00140.html(出典元:出入国在留管理庁)
Q19
特定技能外国人は、夜勤や交替勤務に従事してもらってもよいでしょうか。
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夜勤や交代勤務に従事してもらって差し支えありません。ただし、同一条件の日本人労働者が必要です。

なお、深夜業等の特定業務従事者は、年2回(半年ごとに1回)の定期健康診断を受診する必要があるため、注意が必要です。

「参考様式第1-6号 雇用条件書」内の”定期健康診断欄”の記載も半年に1回とする必要があります。
Q20
特定技能外国人は、賞与、昇給がないといけないでしょうか。
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賞与、昇給は必ずしも必要ではありません。ただし、あくまで同一労働同一賃金が適用され、日本人労働者の報酬の額と同等以上であることが必要です。

〇 特定技能外国人に対する報酬の額については、外国人であるという理由で不当に低くなるということがあってはなりません。
同程度の技能等を有する日本人労働者がいる場合には、当該外国人が任される職務内容やその職務に対する責任の程度が当該日本人労働者と同等であることを説明した上で、
当該日本人労働者に対する報酬の額と同等以上であることを説明する必要があります。

〇 同程度の技能等を有する日本人労働者がいない場合については、特定技能外国人に対する報酬の額が日本人労働者に対する報酬の額と同等以上であるということについて、
・賃金規程がある場合:同規程に照らした個々の企業の報酬体系の観点から、
・賃金規程がない場合:例えば、当該外国人が任される職務内容やその職務に対する責任の程度が最も近い職務を担う日本人労働者と比べてどのように異なるかという観点から説明を行うこととなります。
Q21
特定技能では技能実習制度のように、企業が受け入れられる人数に上限はありますか。
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受入企業様ごとの受け入れ数の上限はありません。

ただし、それぞれの分野においての受入人数の上限は決まっております。
経済産業省より、分野ごとの受入人数が公表されておりますのでそちらをご確認ください。

https://www.moj.go.jp/isa/content/930006254.pdf
(21~23頁をご参照ください。)
Q22
特定技能外国人が、同時に複数の企業で働くことは可能ですか?(昼はA社、夜はB社等)
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特定技能外国人はフルタイムで業務に従事することが求められますので、特定技能外国人が同時に複数の企業で働くことは出来ません。

出典:法務省ウェブサイト (https://www.moj.go.jp/isa/content/930006254.pdf
Q23
特定技能外国人に付与される在留期間はどれくらいになりますか。
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1号特定技能外国人については、1年、6月又は4月の在留期間が付与されます。 2号特定技能外国人については、3年、1年又は6月の在留期間が付与されます。

出典:法務省ウェブサイト (https://www.moj.go.jp/isa/content/930006254.pdff
6ページ目をご参照ください。
Q24
2019年4月から改正された入管法について教えてください。
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日本国内の労働者不足を背景に技能実習生や技人国よりも専門的分野での就業に限定しない「特定技能」という在留資格が加えられました。

「技能実習」と比べると、「特定技能」には以下の特徴があります。
【制度趣旨】
・「技能実習」:国際貢献のため(技術を母国へ持ち帰るため)
・「特定技能」:日本国内の労働力不足を補うため
Q25
現在、人材派遣会社を運営していますが、特定技能外国人の受入れ機関になることができますか。
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人材派遣会社が派遣元として受入れ機関になるためには、入管法令で定める受入れ機関の基準及び派遣元の基準を満たす必要があり、特定産業分野に係る業務又はこれに関連する業務を行っている場合などの要件を満たさなければ派遣元として受入れ機関になることはできません。

出典:法務省ウェブサイト (https://www.moj.go.jp/isa/content/930003977.pdf
「外国人材の受入れ制度に係るQ&A」Q33参照
Q26
技能実習生と特定技能外国人で同じ仕事をさせてもよいのですか。
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一般的に異なるケースが多いです。

技能実習は、本国への技能等の移転による国際貢献を目的として技能等に習熟するために当該技能等を要する業務に従事するものです。
対して、特定技能は人手不足分野において一定の専門性・技能を要する業務に従事するものです。

したがって、両者は技能水準や活動の形態に違いがあることから、技能実習生と特定技能外国人が従事する業務は、異なるものになるケースが多いです。
Q27
在留資格「特定技能」外国人は転職が可能とのことですが、どのような場合に転職が認められるのですか。その場合どのような手続が必要ですか。
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特定技能外国人が転職する先が同一分野かつ業務区分が一致している場合は認められます。受け入れ機関を変更する場合は在留資格の変更許可申請も必要です。

入管法上、特定技能外国人は、「相当程度の知識又は経験を必要とする」又は「熟練した」技能を有する業務に従事することが求められます。
同一分野内であっても、製造業のように使われる技能が異なる業務が複数ある分野もございます。
そのような分野については、特定技能外国人が従事する業務に対応する技能、つまり各試験において合格をすることではじめて転職が認められます。
政府基本方針においては、分野内にさらに「業務区分」という区分けを設け、転職が認められる場合については、「同一の業務区分内または試験等によりその技能水準の共通性が確認されている業務区分間」としています。
Q28
受入企業の都合により、特定技能外国人が失業してしまった場合、すぐに帰国しなければならないのでしょうか。
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特定技能外国人が失業した場合であっても、すぐに帰国をしないといけないわけではなく、就職活動を行うのであれば、在留期間内は在留することが可能です。

ただし、3ヶ月以上就職先を探すことなく在留しているなど、正当な理由なく3ヶ月以上「特定技能」に係る在留活動を行っていない場合は、在留資格が取り消されることがあります。
Q29
特定技能修了後の帰国時の航空運賃は受入れ機関が負担しなければなりませんか。
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特定技能修了後に本人が帰国の費用を負担することができない場合を除き、基本的に本人が帰国時の航空賃金を負担することになってます。

本人が負担できないケースを想定して、予算組の段階で帰国時の航空賃金の費用も想定していくことをおすすめします。
Q30
特定技能に切り替えるにあたり「技能実習2号を良好に修了している証明」が必要との話がありました。「技能実習2号を良好に修了している証明」とはどういったものが必要ですか。
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技能実習2号を良好に修了している、条件として下記2点があげられます。

・技能実習2号を2年10ヶ月以上修了したこと
・技能検定3級または技能実習評価試験の実技試験に合格していること
そのため技能実習評価試験の合格証明書が必要となります。
2017年11月1日に技能実習法が施行されて以降は、技能実習2号修了の前までに技能検定3級または技能実習評価試験の実技試験を受検することが義務となっています。
しかし、それ以前は技能検定3級または技能実習評価試験の実技試験を受検することが義務化されていなかったため、技能検定3級相当の試験を受検していない元実習生もいます。
その場合には実習していた企業様と監理団体様に「評価調書」を作成して頂く必要がございます。
「評価調書」とは下記内容が記載しているものになります。
・当時の実習中の出勤状況
・技能の修得状況
・生活態度や日本語能力
この評価調書があれば、技能検定3級に合格していなくても「技能実習2号を良好に修了した」と認められます。
Q31
在留資格「特定技能」とはどのようなものですか?
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特定の条件を満たした外国人就業者に発行される在留資格です。

技能実習と比べて専門・技術的な就業に限定しておらず、期間も1号で5年、2号は上限なしとより長期にわたる就業が可能となりました。
ただし、就業できる業種が限定されており、同一労働同一賃金の対象となりますので注意が必要です。

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